危機感のないひと

kenshin 病院

「便潜血反応が2回のうち1回が陽性です」

「がん、ということもありますし、精密検査を受けてくださいね」

「痔、ということもありますけども」

私は毎年受けている職場の健康診断で初めて便潜血反応で陽性になりました。便に血液が混ざっていたんです。

初めて陽性反応ということで、「え」とは思いました。しかし、「痔なのかも..たまにお尻が切れるし」と思いました。

このような感じで病気についてはあまり深刻な思いは持ちませんでした。

精密検査の大腸内視鏡検査でポリープが大きく画面に映ったときも「こわ、でっかいポリープ映ってるじゃん」という感じで、「ポリープってほとんど良性のものだっていうし」と思っていました。

その後、ポリープから組織を取った病理組織検査の結果で「これは、がんです」と診断を受けました。

「良性のじゃなかったのか」と思いました。ショックを受けるとか、動揺するとかはなかったです。

私が病気に深刻な思いを持たなかったのは、私に子どもがいないからかもしれません。もし子どもがいたら、生活のことや先々のことなどいろいろ考えてしまうことでしょう。それから、私の母も胃がんになりましたが内視鏡手術を受けて20年間再発がなく元気にしているので、その影響があると思います。

しかしながら、病理検査の結果から次の診察までの間にはいろいろなことが頭の中を巡り、だんだん心の余裕がなくなりました。紹介状を書いてもらった県立病院の診察までは年末年始ということもあり、3週間ほど間がありました。

「がんです」と診察を受けての3週間は長かったです…