独身の人は保険に入る必要がない
お金にまつわる情報を調べていると「独身者は保険に入る必要がない」という言葉が出てきます。
「その人が亡くなったことによって、金銭的に困る人(子ども)がいないから」、「公的保険が充実しているので病気などには貯金で備えればよいから」、とのことです。
確かに独身者は生命保険は必要がなさそうです。ここは理解できました。でも医療保険は必要なのでは?と思うところがあるのです。
最強の公的保険
「日本人はすでに最強の公的保険に入っている」と言われます。
- 国民皆保険により医療費の窓口負担は原則3割(年齢や所得で1〜2割)
- 高額療養費制度があるので医療費が高額な場合は自己負担を抑えられる
- 会社員など健康保険加入者が病気やケガで働けなくなり、給与が支給されない場合に、生活保障のため傷病手当金が給付される
私も健康保険のおかげで大腸の上皮内がんの治療を5万円台で受けることができました。でも、長期の治療となったらどうでしょう。
公的保険があったとて
私の今の給与が手取りで15万円なのでそれで考えますと、標準月額報酬が18万円の区分になるので、月額報酬の2/3が支給される傷病手当金は、
18万円÷30日×(2/3)=4,000円(日額)。
4,000円×22日(会社を1ヶ月休んだとして、休んだ日数)=88,000円。
そこから税金や公的保険が引かれるそうなのです。
| 傷病手当金 | 88,000円 |
| 所得税 | 0円 |
| 住民税(地域、月額報酬による) | 5,600円 |
| 厚生年金(月額報酬による) | 16,470円 |
| 健康保険(地域、月額報酬による) | 8,595円 |
| 介護保険(地域、月額報酬による) | 1,431円 |
| 雇用保険 | 0円 |
| 合計 | 55,904円 |
ここから病気やケガの治療費の支払いをしなければならなく、私の収入の場合、高額医療費制度で医療費の上限が57,600円です。
| 高額医療費の自己負担限度額 69歳以下の上限額 | |
| 適用区分 | ひと月の上限額(世帯ごと) |
| 年収約1,160万円~ | 252,600円+(医療費ー842,000円)×1% |
| 年収約770万円~約1,160万円 | 167,400円+(医療費ー558,000円)×1% |
| 年収約370万円~約770万円 | 80,100円+(医療費ー267,000円)×1% |
| 年収156万円~約370万円 | 57,600円 |
| 住民税非課税世帯 | 35,400円 |
傷病手当 55,904円 ー 自己負担額 57,600円 = ー1,696円
と、医療費でマイナスになり、その他の生活費の出費もあるので、それらを貯金などで賄わなければなりません。しかし、手取り13〜15万円というのは、日々の生活で精一杯な世界なので、なかなか貯金はできないわけです。手取り13万円台で一人暮らししていたときは特にそうでした。
なので「独身者は保険に入る必要がない」というのが当てはまらない人っているよな、と思うのです。私のことです..
傷病手当金から健康保険料が引かれる怪
今回調べるまで知らなかったのですが、傷病手当金から健康保険や税金が引かれるのですね。健康保険から出ている傷病手当金から健康保険を支払うとは、変ではないですか?そこはかんべんしてくださいよ、と思いました。
公的保険が充実しているといっても、もともとの収入が少ないと、公的保険に頼りきることもできないな、と考えた日でした。

